ちょっと寄り道                         〜初めて見たカラーの夢のお話〜

私には今でも、鮮明に頭に浮かぶ夢があります。

それは、黄緑色と黄色がマーブル状に混じったまあるい月。

暗い夜空にくっきりと浮かぶそのまあるい月だけが、目が

覚めたときにも驚くほど鮮やかな色として残っていました

中学生のころの夢だったような…。

それまで、自分の夢が白黒なのかカラーなのか意識したことも

ありませんでした。

初めて、夢はカラーで見ているのかもと気がついた瞬間でした。


最近、その夢にそっくりなものを見つけました。

それは、先日の台風が過ぎ去ったある日の我が家の蜜柑。

濃いグリーンから黄緑色になりかかった頃のこと。

みかんは、全体に少しずつ色づいていくものだと思っていた

のですが、実際はまだらで私が夢で見た、マーブル状の

満月とまったく同じ様子で色づいていたのです。

北国育ちの私の地域では、蜜柑を植えているところは

なかったはず。

食べごろになったオレンジ色のみかんしか知らないはずなので

どうしてこのような夢を見たのかはわかりませんが、

数十年のちの、不思議な夢との再会でした。

単純に「すっきりした〜^^」という感じでしょうか(笑)


そんなミカンつながりで、

芥川龍之介の『蜜柑』の世界へご招待いたします^^。


<私の拙い文での、あらすじですが・・・>

主人公は云いようのない疲労と倦怠とが、まるで雪曇りの空の

ようなどんよりした影を頭の中に落している状態で汽車にのる。

そんな中、汽車で向かいの席に座った少女…。

この小娘(原文のまま)の下品な顔だちを好きになれない主人公。


少女がトンネルに差し掛かった時から必死に開けようとしていた

窓が、トンネルを抜けて間もなく開いて、ススを溶かしたような

どす黒い空気が、にわかに息苦しい煙になって、もうもうと車内へ

みなぎり出した。

この見知らない小娘を頭ごなしに叱りつけてでも、

又元の通り窓の戸をしめさせようと思っていた時に

飛び込んできた風景。

少女は蜜柑を外に放り投げる。

外には奉公に旅立つ姉を見送りに来た揃って背の低い

三人の弟…。

少女の手のひらから窓の外に飛び出して行く蜜柑の描く

放物線と映える色彩の美しさ。


暮色を帯びた町はずれの踏切りと、小鳥のように声を挙げた

三人の弟と、そうして少女の手のひらから窓の外に放物線を

描いて飛び出していく、鮮やかなみかんの色。

すべては汽車の窓の外に瞬く暇もなく通り過ぎる。が、

心の上には、切ない程はっきりと、

この光景が焼きつけられた。

そうしてそこから、ある得体の知れない朗らかな心もちが

湧き上って来るのを意識した。

この時始めて、云いようのない疲労と倦怠とを

そうして又不可解な、下等な、退屈な人生(原文のまま)を

僅かに忘れる事が出来た。


数日前から貧困率という言葉が報道で取り上げられて

いますが、この兄弟たちがその後どうなったのかを

知りたくなってしまいました。

葛飾産業フェア 1


写真は小説とは全然関係ないのですが、

先週「葛飾区産業フェア」で展示販売した時の写真です。

本当に良い経験になりました^^。

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

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